— カルテが守ってきたもの、保つために
カルテは、診療の記録です。
でも、それだけではありませんでした。医療人が何世紀も前から守ってきた、三つの機能があります。
カルテに名前を書くことは、責任を引き受けること。診療の判断が、誰のものかを明確にする。
どこで気づき、どこで迷い、どこで判断したか。文章を読み返せば、医師の思考の流れが見えた。
何かが起きたとき、医療人が証拠の側に立てる。患者の信頼が記録によって担保される。
AIは文章を一瞬で生成します。
完成形だけが、カルテに残ります。
誰が、何を、どの順序で判断したのか —— カルテの文章からは、もう読み取れません。
このカルテ、
誰が判断したのか
判断の軌跡は、
どこに残っているのか
患者と医療人は、
何に守られているのか
AIが入った診療でも、カルテが守ってきた三つの機能を保つために、
新しい仕組みが必要になります。
この設計は、EU AI Act が高リスクAIに求めている記録保持・透明性・人間による監督と、同じ方向を向いています。
私たちは規制対応のために設計したのではなく、カルテの本質を保とうとした結果、規制と同じ場所に立っていました。